船町diary

海と山が近い町に住んでます。

何の役にも立たないチケット転売対策サービス「チケトレ」がむしろ害悪な理由

こんにちは。オカモトシゲル(@kamaoka8280)です。

 

本ブログでもいくつか書いたRising Sun Rock Fesの今年のチケットの通し入場券がなんと売切れになったそうです。

通し券売切れとなると椎名林檎などが出演していた2008年以来じゃないでしょうか。

夏になると必ず出てくるのが蝉と蚊、チケットが完売になると必ず出てくるのが転売ヤーです。

チケット界隈でも転売対策には頭を痛めているようで、出てきた標語がこれ、

「#転売NO」

オフィシャルサイトもありんす。

www.tenbai-no.jp

 

僕も音楽好きの端くれとして、チケット転売なんてクソだと思ってます。

関係者やミュージシャンの義憤もよーーーく分かります。

が、チケット転売の対策として我々消費者が唯一取りう手段である公式チケット転売サイト、チケトレが余りにクソ過ぎる。

こんなサービスなら何もしないほうがマシ。

tiketore.com

こんな場末のいちブログがどうこうできる問題じゃありませんが、この転売対策サービス「チケトレ」がむしろ転売対策に対して害悪である理由を書きます。

 

目次

 

 

1.出品者に対してのメリットが何もない

 何よりまず、チケットを出品している出品者にとってメリットが何一つありません。

  定価以上設定 定価以下設定 取引手数料 システム料 取引期限
チケトレ × × 10% 324円 公演10日前まで
チケットキャンプ 8.64% 380円 当日まで

※1万円のチケット取引を想定

 

システム手数料などは取引金額によって上下するところがありますが、チケット転売界の巨人、チケットキャンプと比較するとチケトレの問題点は一目瞭然です。

以下、問題点

 

  • チケットの定価「でしか」売ることができない

 チケットキャンプでチケットがなぜ売れるかというと、市場価値を反映した値段になるからです。みんなが欲しがる人気チケットは、市場価値を反映した値段を定価に上乗せすることで利益が出ます。この利益を目当てにチケット購入する輩がいわゆる転売ヤーとなるわけですが、当然定価でも売れ残る公演だってあるわけです。

公演に行けなくなった出品者にとって最大のリスクは、チケットがただの紙切れになることです。紙切れになることを避けるためには当然市場価値を反映した値段まで値下げしなければ売れません。購入者にとっても、安く買えるなら安く買えるほうを選びます。チケトレは定価以上だけでなく、定価以下の値段設定も出来ないため、市場価値を反映した値付けができず、チケトレと比べて紙切れ化リスクが非常に高いサービスであると言えるでしょう。

 

  • 後発サービスにもかかわらず高い手数料

フリマアプリの最大手であるメルカリは、出品者に販売手数料10%を求めていますが、楽天が運営するフリマアプリである「ラクマ」は後発サービスであるため、販売手数料は徴収していません。

こんな簡単な例ですが、いわゆる当たり前の話です。既にある市場に対して後発のサービスが挑んでいくためには、サービス内容で特色を出していくか、先行するサービスよりコストメリットを出すしか先行者からパイを奪い取る手段がありません。

にもかかわらず、チケトレはチケットキャンプより高額の強気な手数料設定を行っています。

「こっちはミュージシャンお墨付きの公式なんだから、チケットキャンプみたいな粗悪サービスより高くて当然」みたいな驕りが見て取れます。

 

  • 厳しすぎる取引期限設定

 ライブやコンサートに行けない事情って、割と直前に起きることが多いです。(仕事の都合や家庭の都合など・・・)

なので、取引はギリギリまで出来ること好ましいわけです。Twitterとかで個人間で取引すれば当日手渡しもできますね。

チケットキャンプはこれらのSNSを使った個人取引も競合と認識しているのでしょう。

取引期限は当日までだそうです。(どうやってんだろ・・・)

対するチケトレはなんと10日前!上で述べたように値段設定も変えられないため、定価で10日前までに売れなかった善意の出品者が、泣く泣くチケットキャンプに流れる構図が目に浮かぶようです。

 

上記3点で分かるとおり、チケトレは売るまでのハードルが高く、仮に売れても実入りが少ないサービスだと言えるでしょう。

何が転売をなくすだよ、夢見させるようなこと言うな!と小暮先輩もブチギレするレベルです。

 

参考までに現在(7.20 26:00)の両サービスの状況を。

チケトレ↓

f:id:okamoto8280:20170720020506p:plain

チケットキャンプ↓

f:id:okamoto8280:20170720020448p:plain

 なんとチケトレの取引数はゼロ。

チケトレは定価だからすぐに売れてしまって一覧に表示されないんだ、という反論が出るかもしれませんが、もしそうだとするならばこんなにイケてない仕様もありません。

そもそも利用者が少ないのに、取引実績まで隠蔽してどうするんですか。

いつ来ても取引ゼロじゃ訪れる人もいなくなるに決まってます。。

ただでさえ来る人少ないだろうに、人を追い返すような仕様にしてどうするつもりなのか。

 

2.理念に対して賛同させておいて、その実態はぴあによる手数料ビジネス

 何よりここが罪深い。

上でリンクを張った「#転売NO」のオフィシャルサイトでは、名だたるミュージシャンや音楽団体の名前が賛同者として列挙されています。

そりゃそうです。

チケットが取れずに困っているファンの姿や、その対応に悪戦苦闘する事務所スタッフを見たミュージシャンは誰だって、この「#転売NO」の理念に賛同します。

現に、賛同ミュージシャンの数多くが、2016年9月の時点でこの運動への賛同者としてリストアップされています。

そうした多くのミュージシャン、音楽関係者によるお墨付きを経て2017年5月にリリースされたのが上記のチケトレです。

僕がミュージシャンならこんなクソサイトで転売防止出来るわけないんだから賛同者リストから抜けたくなるわ。

前章で触れたとおり、まず出品者から取引手数料を頂戴し、返す刀で購入者からもしっかり徴収します。さらにはシステム手数料まで出品者、購入者からしっかり回収する抜け目のなさ。

双方から損をさせて肥え太るのはチケットぴあだけです。

取引手数料に至ってはチケットキャンプよりも高い始末。

本気で転売対策する気ねーだろ。

 

もう1度言いますが、ミュージシャンも音楽団体も「転売はいけないよね」という運動の理念に賛同しているわけであって、チケトレという手段に賛同しているわけではありません

 

にもかかわらず、ミュージシャンも賛同しているという錦の御旗を振りかざして、先行するサービスより劣ったサービス内容で高い手数料を徴収しようとするチケットぴあ。

いくら錦の御旗を振りかざしても、火縄銃ではグレネードランチャーと戦うことはできません。

チケトレはこのまま高い手数料を掲げたまま、頓挫するのを待つばかりなのでしょうか。

 

ミュージシャンからすれば「#転売NO」のアクションに賛同し、チケトレという代替手段も講じたんだから、もうこの辺でいいだろう、とこれ以上に積極的な転売防止の手を打たないかもしれません。

 

チケトレの害の最たるものは、チケトレという有効でない手段が、ミュージシャン(主催者)側にとって「チケット転売対策をやったよ」というアリバイになってしまうことです。

 

 

3.仕組みが杜撰すぎて、転売を助長させかねない

Twitterなどでも指摘されていることですが、チケトレを使って定価で仕入れたチケットをチケットキャンプへ転売することで利益を出す、というような使い方ができてしまいます。

また、外部サービスで金額合意して、形式上チケトレを通すことでチケットの本人確認だけを確実にパスするような、チケットロンダリングみたいなことも出来てしまいます。

結局紙のチケットをやり取りするようなやり方では既存のチケット取引のサービスと同じで、転売防止の仕組みとして考えられたものとは言えません。

 

4.じゃあどうすりゃいいのか

散々チケトレをdisりまくって来ましたが、じゃあどうすればいいのか。

結局チケットキャンプに流れている出品者をチケトレに呼び込むしかありません。

現在は出品手数料の無料キャンペーンをやっているようですが、それだけでは流入は増えないでしょう。

 

金銭的なメリットを出品者に享受させられないので、

次にチケットを得られる機会を増やすというメリットを与えるアプローチが考えられます。

例えば

  • 当該ミュージシャンのチケットの次回抽選での当選確率を上げる
  • チケトレ経由でチケットを譲った場合、チケトレでチケットを購入する場合も優先して検索できる権利を得る

などなど。

 

幸運にも日本最大級のプレイガイドが作っているサービスです。

現在のような自社は全く痛みを負わず、

エンドユーザに転化するだけの姑息なサービスは一刻も早く改めて、

真に転売対策になるようなサービスに生まれ変わることを期待しています。

出品者からは全て定価+手数料でぴあが買い取って、リセールまで責任を持ってやりきる。「#転売NO」を掲げてこの問題に首をつっこむならこれくらいの漢気を見せてほしいものです。

普段から高い手数料ふんだくってんだからさ。

 

それでは、また。