自宅が床上浸水してしまったときにやるべきこと/やってはいけないこと
先日の西日本地方の豪雨を受けて、羽鳥慎一のモーニングショーで自宅が浸水してしまったときに取るべき行動/やってはいけないことについて放送していました。
その内容がとても丁寧で実践的だったので思わずメモを取りました。
テレビで話されていたことのそのままなんですが、テレビを見ていなかった人にとってもきっと有意義な内容ですし、川の近くに自宅を構えている自分としても将来振り返るために残しておきたい内容だったため、ブログ記事として残しておこうと思います。
いきなり片付けず、写真を撮る
床上浸水してしまった自宅に帰ってきたら、誰でも一刻も早く片付けをしたいと考えると思いますが、いきなり片付けを始めずに、被害の状況を客観的に示すことができるよう写真を撮っておくことを推奨されていました。
というのも、片付けをしてしまうとどこの高さまで浸水していたのか、住宅のどこに損傷があったのかをあとから確認することが出来なくなるから、です。
自分も報道によって初めて知ったのですが、浸水域の高さによっては住宅そのものはこわれていなくても建物の全壊として扱われるようです。
火災保険の水害に対する補償に対して加入している世帯の方は、全壊扱いなのか半壊扱いなのかで降りる保険の金額も変わってきます。
具体的には下記のような基準になるとのこと。
自分でも改めて調べ直したところ、内閣府の総則では下記のように定義されていました。
(3) 浸水深による判定 (【木造・プレハブ】戸建ての1~2階建てであり、かつ、津波、越流、堤防決壊等
水流や泥流、瓦礫等の衝突の外力被害がある住家) 一見して浸水深の一番浅い部分が1階天井まで達したものについては全壊、床上
1mまで達したものについては大規模半壊、床上まで達したものについては半壊、 床上まで達していないものについては半壊に至らないと判定する。
浸水が床上まで達していないものについては、住家の損害割合を 20%未満とし、 半壊に至らないと判定する。
(それ以外の住家)(第2次調査のみ) 浸水が床上まで達していないもの(外観に外力による損傷があるもの等を除く)
については、住家の損害割合を 20%未満とし、半壊に至らないと判定する。
半壊と大規模半壊についての定義はテレビのそのままでしたが、全壊の基準は正しくは"浸水深の一番浅い部分が1階天井まで達したもの"なんですね。住宅の屋根の高さを考慮して1.8m〜と報道していたのでしょうか。
具体的な撮影の仕方のポイント
具体的な写真撮影のやり方についても触れられていました。
下に行けば行くほど、確かに知識がないとやらないだろうと感じるものばかりでした。
4方向から撮影する
浸水基準でも触れられている通り、浸水深の一番浅い部分が客観的にわかる必要があります。そのため、1方向からだけではなく、建物の全面を撮影できるように4方向から撮影することを推奨していました。
人間と一緒に撮影する
高さの情報の参考とするために、浸水深がわかる写真を人物と一緒に撮影しておくことを推奨していました。例えば180cmの男性であれば、その身長以上の高さの浸水の跡と一緒に撮影しておけば、全壊基準を満たす高さまで浸水していたことを示す証跡になります。
床や壁の膨れている様子を撮影する
床や壁が水を吸って膨れてしまっている場合、その様子を撮影しておくことで内壁の全損傷を示す参考情報として扱われるため、膨張の様子を撮影しておくことが推奨されます。
水回りの状況を撮影する
水回りについては泥水などで浸水してしまったらすべて取り替えてしまいたい人が多いかと思います。水回りの被害箇所を明確にするためにもキッチンや風呂、洗面所など水回りの状況を撮影することが推奨されます。
柱の傾きをわかりやすいように撮影する
柱が3°以上傾いている場合は全壊扱いとなるそうです。
例えば天井から重石を糸から垂らして吊るし、柱の傾きと比較することで柱の傾き角度が分かりやすくなります。
ここ数年は毎年のようにどこかで堤防の決壊や浸水被害が出ています。
日本の気象状況の変化に伴って、今後も各地で同じようなことが起こってしまうでしょう。水害自体を起こさないようにすることは人間の力ではできませんが、起こってしまったことに対する補償をフェアに受けるために知っておくべき内容かと思います。
これ以上被害が拡大しないことを祈りつつ。