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ELLEGARDEN THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR@2018.8.15 ZOZOマリンスタジアム ライブレポ

 

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1.セットリスト

01:Opening~Supernova
02:No.13
03:Pizza Man
-MC-
04:Fire Cracker
05:Space Sonic
06:高架線
-MC-
07:Missing
08:スターフィッシュ
09:The Autumn Song
10:風の日
-MC-
11:Middle of Nowhere
12:Surfrider Association
13:Marry Me
14:Lonsome
15:金星
--MC--
16:サンタクロース
17:モンスター
--MC--
18:Red Hot
19:Salamander
20:ジターバグ
21:虹

-MC-
EN1:Make a Wish
EN2:月

WEN1:BBQ Riot Song

 

2.ライブレポ 

対バンのワンオクのライブが終わったのは確か18:50頃だった。舞台転換30分くらいで、19:20くらいから始まるといいね、というような話を同行してくれた友達と話していた。会場はエルレの登場を待つ熱気で溢れていた。

 

19:15になる少し前、ついにその時が。

 

照明が暗転し、ステージは青く照らされた。舞台の上手下手にある大型スクリーンにはELLEGARDENの表示と4人のアーティスト写真。

入場のSEはFire Crackerの"Opening"。会場のボルテージは一気に上がって、アリーナもスタンドもみんな拳を突き上げて、4人がステージに立つのを待つ。

メンバーが舞台に登場すると地鳴りのような大歓声と拍手。細美がギターを構えても大歓声は鳴り止まない。そして響く「Nothing I can do as well〜」の歌声。

10年間待ちに待った。Supernovaからはじまるライブが始まった瞬間だった。

生方のギターが轟音でイントロを奏でると、スタジアムにいた全員が「オイ!オイ!」の大合唱で迎える。Supernovaは本当にやばかった。アリーナの方に目をやると、フロントエリアではすごい数のダイバークラウドサーフしていて、想像するだけで恐ろしいくらい圧縮がかかってた。スタンドで観ている人はといえば、タオルに顔を埋めて前を観られないお姉さんがいたり、子供を抱きかかえてエルレの姿を見せる親子連れがいたり、僕らのように友達同士満面の笑みで歌っている人がいたり、みんなが各々の感情だとか思いを一気に爆発させたような時間だった。

 

間髪入れずに演奏されたのはNo.13。活動再開を願って待っていたファンたちのテーマソングのようなものだったこの曲。

まさか2曲めに持ってくるとは。「September 9th, It's a sunny day〜」歌詞も全部頭に入ってる。この曲を聴きながらぼくもつい涙腺が緩んだ。

3曲目はPizza Man。1〜3曲目でもう会場の熱気は上限振り切ってた。

みんなこれがずっと言いたくて待ってた「ペパロニクアットロ!!」の大合唱。

 

MC

「こんばんはエルレガーデンです!!」

知ってるよ、10年間も待ってたんだから。会場からおかえりー!とたくさんの声援が飛ぶ。「ただいま!10年間もかかっちゃった。」

会場の観客に「お前ら子ども以外静かに!」と呼びかけて場内を沈めた細美さんは会場外で音漏れを聴いている人たちに呼びかける。

「外にいるやつら!聞こえてるかー!怪我すんなよー!あ、ここにいるお前らも怪我すんなよ」

会場内外のファンに気遣いを見せる細美。外で音漏れを聴いている人たちの大歓声は会場内までしっかり届いていた。

 

比較的活動の後期で発表されたFire Cracker、Space Sonic、高架線と立て続けに演奏。どんどんエルレの曲を聴きたいけれど、時間が進んでこの時間が終わってしまうのがもったいないような、フワフワした不思議な感覚で聴き入っていた。

 

2度目のMC。この2018年8月15日のライブが実は2年前に決まっていたことを明かす細美。この日が終わって、打上げでしこたま飲んで2日酔い、3日酔いが明けたあとにこの日のライブがどういう意味を持っていたのか、メンバー4人で食事をしながら話そうと思っているとのこと。

エルレはずっとロックスターになんかなる気はなかった。だけれど一生に一度のスタジアムライブの今日だけはロックスターになってみようかな、なってもいいかな、とメンバーや観客に呼びかける。

エルレのメンバーにとってそうではなかったとしても、ぼくにとってはエルレは紛うことなきロックスターだった。京都MUSEで初めて柵にしがみつきながら観たときも、もう今はないZEPP OSAKAでHuges & Kettnerの光るアンプを睨みつけながらMiddle of Nowhereを聴いていたときも。それはきっとこの日スタジアムに来た人にとっても、外で音漏れを聴いていた人にとってもきっと同じだったはず。

 

「懐かしい曲を」といって演奏されたのはMissing。思えばこの曲くらいからエルレを取り巻く環境が熱狂していったよなあ、なんてことを思いながら聴きいる。

スターフィッシュは個人的にもいろんな思い出と結びついていて、気がついたら涙が出てきそうになる。

 

こんな星の夜はすべてを投げ出したってどうしても君に会いたいと思った

 (スターフィッシュ)

 

The Autumn Songは元々カップリング曲でありながらベスト盤にも選ばれていて、ファンにとっても人気が高い曲。みんな演奏されると思っていなかったのか、Summer time is gone...の歌い出しに大歓声が上がる。自分にとってもこの日のエルレが夏の最後にして最大のイベント。ちょっと秋の雰囲気を感じさせる風がスタジアムでは吹いていて、少しセンチメンタルになる。

ベスト盤について細美は買わないくていい、と言っていたがあのベスト盤から入ってエルレが大好きになったファンがいっぱいいると思うと、既発曲で固めたベスト盤にも意味があるのかも。

 

「相変わらず綺麗ごとも言えずに、10年経っても周りになじめず浮き狂ってるお前らオールドファンに捧げます。」といって演奏されたのはMiddle of Nowhere。

外に向けてエネルギーが爆発しているような後期の曲と違って、DON'T TRUST ANYONE BUT USくらいの初期の曲は、内側でメラメラと炎が滾っているよう。

赤と青を貴重にしたステージ照明、ギターソロで髪を振り乱して演奏するウブ。大きな会場で、スクリーンが付いていること以外は本当に昔を思い出させる演奏で、もったいないと思いながらも目を瞑って聴き入る。

ガラッと雰囲気が変わったSurfrider Association。これも青春時代に何度も歌ってきた曲。
Get away from sober events of daily life...エルレの曲は誰にでも覚えやすいメロディーで、10年も経っているのにこんなに歌詞を覚えていてスラスラ歌えるなんて思わなかった。

Marry Meに続いて演奏されたのはLonesone!復活ライブをすることを知ったとき、一番生で聴きたいと思った曲。

 

歌詞にある内省的な世界観とは対象的に、細美はこの曲を噛みしめるように、けれど楽しそうに歌っていた。間奏ではドラムの高橋
、ベースの高田と細美が向き合いながら演奏していた。会場のスクリーンでも大写しになったこの光景が頭に焼き付いたファンは多いはず。
活動休止してから、もうエルレが活動することはないんじゃないかと思っていたから、この光景はまさに夢を観ているようだった。

 

「俺は正直に生きることが正しいって信じてきた。だから(活動再開まで)10年もかかっちゃった。だけど、本当は正直に生きることが正しいなんて嘘かもしれない、したり顔したやついう『正直者は馬鹿を見る』っていうことが本当だったらどうしよう、ってずっと思ってやってきた。そうしてやってきたことを今は誇らしく思います。
何言おうとしたか全部忘れた!10年経ってもMCっ全然上手くなってねーじゃんって?いいんだよ!」

 

「最後に笑うのは正直な奴だけだ」というフレーズが印象的な「金星」へ。
映像化されているエルレのライブではこの曲はいつもWアンコールの最後で演奏されてきた。Space Sonic Tourのファイナルしかり、ELEVEN FIRE CRACKERS Tourしかり。
それだけに今回もラストに持ってくるのかと思っていたので、中盤で演奏されたことは意外だった。
BRING YOUR BOARD!!など昔の曲を聴くと、細美の歌が本当に上手くなったことに気付く。「10年間、今日の日を迎えられるくらい俺は頑張ってこれたのか」と自問するように、
問いかけるようにMCでも言っていたが、ずっとエルレを待っていたファンはその努力を、ほんの少しだけれど知っている。ラストサビの前の「今はもう」の熱唱は鳥肌が立った。


金星の後、「良い歌詞だなあ。」と呟くように言うと「お前らから貰ったもの、どれだけ返せるかわからないけれど、お前ら臆病者の背中を少しだけ後押しするような存在でいるのが俺たちロックバンドの仕事だから。
お前らから貰ったものを、またそのうち返すよ」


そう話し、「サンタクロース」「モンスター」を演奏。
モンスターの後の最後のMCでは、今回の公演のDVDが出ないことを名言。
「ワンオクとのこの旅は最高だったけれど、これは俺たち(ELLEGARDENONE OK ROCK)にとっての物語であって、お前らの物語じゃない。お前らにはお前らの10年間があって、その最後の一瞬でしかないこの公演でお前らの10年間を上書きできない。お前らの物語の頂点はここじゃないから。その物語はまた今度ゆっくり聞かせてくれよ」
「今日という一日は俺にとって、今日までの人生で最高の1日になりました!ありがとうございました!」


といってRed Hotへ。
この曲は異例の大規模会場での公演になってELEVEN FIRE CRACKERS TOURの新木場公演で「さあ、ライブハウスへ帰ろう!」
といって演奏された曲。
今日1日は「ロックスターをやってみる」と宣言して得意の下ネタMCも封印していた細美が、主戦場の小さなライブハウスに帰ってきたようだった。オーディエンスもボルテージを上げて応える。アリーナの前列がダイバーだらけなのはもちろん、アリーナの後方ブロックの先頭のほうでも激しいモッシュ、ダイブが起きていた。

「ラスト1曲!」と叫んで演奏されたのは「虹」。
NANA-IRO ELECTRIC TOURのファイナルでの出来事を元に作られた曲。
この日に集まったファンたちもまた、"今日を記憶に変えて"いく。

 


積み重ねた思い出とか音を立てて崩れたって
僕らはまた今日を記憶に変えていける
間違いとかすれ違いが僕らを切り離したって
僕らはまた今日を記憶に変えていける
(虹)

 

本編が終わると、短いアンコールの後にすぐメンバーが登場。
「今日8月15日は、ELLEGARDENの復活ライブで、同時に73回目の終戦記念日です。ガキの頃はこれっぽっちも思って無かったけれど、
愛と平和って大事だなって。だから今日だけは今隣にいる奴のことを思って歌って欲しい。今、お前の隣にいる奴が寂しくならないように。
今日の帰り、一人にならないように。お前ら普段だったらそんなことこれっぽっちも考えたりしないだろうし、おれもそうだけど(笑)この3分間だけでいいから祈って歌ってください。」と話してMake A Wishへ。
この曲は宮城県で起きた震災の後、活動休止していたELLEGARDENのメンバーへ細美が連絡して、演奏してもいいか許可を得て以来、細美のアコースティックソロで演奏されてきた。
原曲では一気に転調し、激しい演奏になる2番のパートは1人では演奏できないため、いつも観客に歌うよう
促して、細美自身はコーラスパートを歌っていた。

 

Let’s make a wish
Easy one
That you are not the only one
And someone’s there next to you holding your hand

(Make A Wish) 


お前らの横に誰かがいてくれますように。と歌い続けていた細美の横には誰もいない。
そんな状況でもずっと歌い続けていたのを見ていたから、
コーラスを歌ってくれる生方がいて、演奏してくれるメンバーがいるその光景は胸に迫るものがあった。
昔のライブでは細美はいつも「歌詞がわかんなければニャーニャーでいいから歌ってくれ!」
といっていたけれど、いまやこの曲は38000人にとってのアンセムになった。
バカでっかいサークルがアリーナのあちこちに出来て、それが1つに繋がって・・・という様を
スタンドから眺めていると、次はあっち側に行きたいななんて贅沢な思いもこみ上げてきた。

 

アンコールの2曲目は「月」
この曲も最初のアルバム「DON'T TRUST ANYONE BUT US」に収録されていた曲。
ライブハウスでこの曲をやっていた頃にやっていた演出をこのZOZOマリンスタジアムでも再現。
スタンドもアリーナも観客を全員座らせる細美。
「ゆっくりでいいよ。待ってっから。」

 全員が座ると、ラストサビに向けて演奏が盛り上がるところで飛べ、飛べとジェスチャーで煽り、ライブは最後の山場を迎えた。

 

再度メンバーがステージを去り、ダブルアンコール。

ここでも間をおかずに出てきたメンバー。細美は上半身裸で登場した。

最後に演奏したのは"BBQ Riot song"活動休止前によく演奏していたアレンジではなく、原曲に忠実ないきなりツービートでカチ上げるアレンジだった。

オーディエンスもこの曲が最後だとどこかわかっていて、最後の盛り上がりを見せる。

 

演奏後、間髪入れずに舞台が暗転し、会場外から特大の花火が!

一塁側のスタンド席からはホテルに反射する花火しか観られなかったけれど、きっと音漏れで外で聴いていた人たちに一番よく見えたんじゃないかな。

 

この日のライブの中では、今後のELLEGARDENの活動について触れられることはなかった。メンバーの発言やSNSでの発信から鑑みても今後の活動が一切決まっていない、というのは本当なんだろう。けれど、この日のライブの最後「この夜が終わる頃 僕らも消えていく」と歌われる金星ではなく、BBQ Riot Songだった。「See you some time on the beach」と歌われている通り、またエルレに会える日が来るまで元気に生きていようと思う。「諦めないなら 焦ることもないさ」

 

 

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