しげるlog

ライブやフェスのレポートと、主にAppleのガジェット情報を発信するブログ。

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山下達郎 Performance2019@2019.11.29 宇都宮文化会館 ライブレポート

1.セットリスト

01. SPARKLE

02. 甘く危険な香り

03. ドーナツソング〜メドレー

04. 土曜日の恋人

05. Paper Doll

06. FUTARI

07. サウスバウンド No.9

08. 君は天然色(大滝詠一)

09. REBORN

10. セールスマンズ・ロンリネス

11. La Vie En Rose(アカペラ)

12. Bella Notte(アカペラ)

13. Have Yourself A Merry Little Christmas(アカペラ)

14. クリスマス・イブ

15. 蒼氓 ~ People get leady ~ Blowin' the wind ~ 希望という名の光

16. GET BACK IN LOVE

17. BOMBER

18. Let's Dance Baby〜竹内まりやメドレー

19. ハイティーン・ブギ

20. アトムの子 ~ アンパンマンマーチ

アンコール

21. プラスティック・ラブ

22. 硝子の少年

23. Ride On Time

24. Down Town

25. Last Step

26. YOUR EYES

 

2.ライブレポート

本当は2公演め、6.10に開催される予定だったこのステージはメンバーの難波弘之さんの病気の影響で延期になり、この日、11.29に変更された。

割と仕事の都合が付けやすい仕事だったので年休とって宇都宮に行ってみよう、くらいに考えていたぼくは、まさかの転職によって当日の午後に横浜で打ち合わせを済ませて急いで宇都宮へ移動→意外にホールまで遠くてタクシーを拾って会場へ。→終演後もタクシーで大急ぎで宇都宮へ戻り、新幹線で神奈川まで帰宅する、というドタバタの1日だった。

 

開演時間は18:30ほぼ定刻。そうなのだ。山下達郎のライブは優に3時間を超える長尺のライブになるため、会場の時間的な期限もあり、開演を押すような余裕はないのだ。

1曲目はやはりこの曲、SPARKLE。おなじみのギターカッティングのイントロに始まり、ベース、ドラム、キーボードが一気に「ドドーン」と入ってくる。この演奏を聞いただけでも宇都宮まで訪れた意味があるってものだ。会場入りしたのが18:20と本当にギリギリだったので、間に合ってよかった。

甘く危険な香り〜ドーナツソングとライブ序盤での定番ナンバーの演奏後、4曲目に演奏されたのは「土曜日の恋人」。ここ5年くらい山下達郎のライブに通っているが、この曲が演奏された記憶がなかったので、少し驚いた。フジテレビの「俺たちひょうきん族」のエンディングテーマとしてリリースされた曲で、今年のセットリストを組む際に「明るい曲を選ぶ」というテーマで選曲したそうなので、それで選ばれたと思われる。

 

Paper Dollは初期の名曲。直前のMCでもこの曲を作った当時は音楽的にも、(恋愛含めた)プライベート的にも試練が続いている時期だったので、こんなひねくれた曲になっている、と自嘲していた。続いて演奏された「FUTARI」は名盤FOR YOUからのバラードナンバー。非常に人気のある曲なのでライブでも定番のナンバーとして演奏されている。この日もイントロのピアノから素晴らしいクオリティの演奏。

サウスバウンドNo.9はアルバムCOZYからチョイスされた1曲で、山下達郎ツアーにここ5-6年ほど参加しているけれど、初めて生演奏を聴くことができた。10年ほど同じメンバーでツアーを回ることでこれまでは演奏不可能だった楽曲を演奏できるようになってきている、とのこと。この楽曲のライブバージョンはシングル「RECIPI」のカップリングとして収録されているためコンサートに行けなかった方はぜひ。 

 

ライブ前半での大きなヤマ場は大滝詠一さんのカバー曲で「君は天然色」。

大滝詠一さんが亡くなった当時はあまりに関係が近すぎたため、むやみにコメントを出したくなかったため黙して語らなかったが、7回忌を迎えるので大滝詠一さんの歌を語り継いでいきたい、というMCを挟んでの演奏。アレンジはほとんど原曲のままだったので、それだけに山下達郎の歌の魅力が発揮されており、さすがご本人から「この曲君にあげるよ」と言われていた素晴らしい歌唱だった。

近年はフェス出演時も「硝子の少年」や「ハイティーンブギ」などカバーを披露する機会が増えてきているので、この曲もいずれ多くの人に聴かれることになるかもしれない。

 

 

キーボードの弾き語りで披露されたのは2014のManiac Tour以来二度目の演奏になる「セールスマンズロンリネス」。

この曲の制作の秘話も明かされていて、子供とモスバーガーに食事をしに行ったところ、スーツ姿の営業職らしきサラリーマンがカウンターに座って、コーヒーを飲みながら頬杖をついて外を眺めていたそう。その姿が「泣いている」と感じ、これは曲になると感じて書き上げたのがこの「セールスマンズロンリネス」だとのこと。

以前大貫妙子とのラジオの対談でも日頃会社で働く人達を勇気づける明るい曲を演奏する、と話していたようにこの曲も単純に明るい曲ではないものの、市井の人々への応援の曲として選曲されたのだろう。

 

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定番のアカペラコーナーを経て「クリスマスイブ」へ。近年はプロジェクションマッピングなどを使って視覚効果でも楽しませてくれるこの曲。本当は6月に季節外れのクリスマスイブとして聴くはずだったのが、シーズン真っ盛りに、自分を取り巻く背景も全く変わった状態で聴くことになろうとは、人生一寸先は闇、ということは本当だなあと感傷に浸りつつ聴き入る。

最近はJoy to the worldアカペラ〜クリスマスイブのイントロへつなぐ流れが定番化していたが、このツアーではDeck the hall with boughs of hollyがチョイスされていた。

クリスマスイブに続いて演奏されたのは「蒼氓」

この曲と「希望という名の光」は年ごとのツアーで順繰りに演奏されていて、今年は蒼氓メインでメドレー内に「希望と言う名の光」をカットインしていた。

山下達郎自身もとても思い入れがあると公言しており、個人的にもツアーで一番聴きたかった曲。横の席にいたおそらく自分と同じように一人で参加されていただろうお姉さんもハンカチで目頭を抑えていた。

 

 

コンサートも終盤に突入。 

特に2019年は日本のシティポップ(80年代ポップス)が世界的にブームになっていて、レコードショップで外国人の山下達郎ファンに出会い、その際にリクエストされた曲を、と演奏されたのが「BOMBER」。

この曲で会場前方のお姉さんが一人立ち上がり、ノリノリで踊っていたのだがこれが後で思わぬ事件を巻き起こすことに。

Let's Dance Baby〜ハイティーン・ブギ〜アトムの子、と定番の盛り上がり曲を連打し、本編は終了。終了間際、「BOMBER」で一人踊っていたお姉さんを見て嬉しかったのか、「タンバリンあげよう」と山下達郎からタンバリンを貰えることに。ところが会場のもうちょっと後ろの方で、一人立ち上がり踊っていたお姉さんはもうひとりいたので、そのお姉さんがなぜ自分は貰えないのだ、と憤慨し、ステージに上がらんばかりの勢いで直訴する事態に。

自分はその怒ってたお姉さんの割とすぐ後ろくらいの席で見ていたので、すげえ度胸だなと感心するばかり・・・

 

アンコールでは再度シティポップの世界的なブームに触れ「プラスティック・ラブ」を演奏。

この曲を演奏するのは2014年のマニアックツアーとその年のフェス出演以来。

もはや定番化した「硝子の少年」、ついに生声を披露するためのお立ち台まで用意された「Ride On Time」、Sugar Babeの代表ナンバー「Down Town」でアンコールも終了。

タンバリン事件で怒っていたお姉さんも無事にタンバリンを受け取れて握手もしてもらって一見落着。万雷の拍手の中、退場していくバンドメンバー

 

・・・とその時、客席から「おまけ」を催促する声。山下達郎のコンサートでは、基準はわからないものの、アンコールの最後の曲と決まっているYour eyesの前にギター一本での弾き語りで「Last Step」を演奏したりしなかったりする慣習があるのだ。

 

それを聞いて「どうせファンクラブだろ。図々しいんだあいつらは・・・」と悪態をつきながらも他のお客さんもいるし、待たせたからな、と「Last Step」を演奏。

 

世間を賑わすパワハラ、セクハラの問題を毒舌でぶった切ったり、某オリンピックに関係の深い政治家をを2000人の前で「あいつはバカですからね」とこき下ろすなど、MCでも山下達郎節は全開だった。

演奏面はどの曲も素晴らしかったけれど、Last Stepの時の野次やタンバリンお姉さんなど、これまで参加してきたライブとはちょっと違う空気感も感じる公演だった。

山下達郎のライブツアーは2020年は諸事情でお休みとのこと。

また2021年に参加できることを楽しみにしたい。