だんだん減る未来 だんだん知る未来
2019年10月に、10年勤めていた会社を一念発起して辞めることを決意したとき、頭の中で鳴っていたのがタイトルの一節だった。
10年もやっていれば会社における出世コースと、その道程に対して自分が良い感じなのか、そうでないのかくらいはわかるようになった。
そして、「運がいい」か「実力がある」どちらかが満たせていれば選ばれる昇進から自分が漏れたときから、自分の将来がこの会社にないことに気付いた。
それでも、ある程度楽しくて難易度が高くて意義がある仕事が出来ている間は自分を納得させることが出来ていたが、それすらも出来なくなることがわかったとき、本気で転職しようと思った。
「だんだん知る未来」から未知に飛び出して1年半が経った。
本当に外に出てよかった。自分が培ったスキルは有り難いことに新天地でとても重宝された。何年か前の自分に言ってあげたくなるくらい、新しい職場では期待してもらえて、評価もしてもらえた。
自分がどんなことが得意で、逆にどんなことが苦手なのか、とても解像度が高くわかるようになった。
日々新しく、今の自分が出来ないことにチャレンジさせてもらえている。良いところには率直なフィードバックを、駄目なところにはもっと率直なフィードバックをくれる上司や同僚に恵まれた。
自分が転職を決めたときに欲しかったものが、手に入ったと胸を張って言えると思う。
だけど、また遠くから「だんだん減る未来 だんだん知る未来」のフレーズが聞こえてきた。あと半年/1年経った先にある未来と、その未来を辿った先にどんな未来が待っているのか、朧げに輪郭が見えてきた。
未知の環境に、必死な環境に自分を置くことがいかに大切なのか、この1年半で身を持って理解したと思っている。
知ったかぶりしたことが恥ずかしかったと将来振り返ることができるくらい、新しいことに、未知に取り組んでいかなくちゃいけない。
1年半の振返りに代えて。